マイニングを約1年運用して、知ったことや収益を公開します。

2021年2月からマイニング開始。

元々自作PCの趣味でグラフィックカードのRTX3080持っていて、2021年1月にビットコインの価格が400万円を超えてきたので、今マイニングしたらどうなるのかということで、持っていたnicehashのアカウントでマイニングを1日走らせたら、なんと800円くらいの収益になったので、運用しながら少しずつ拡大していきました。

現在は、660MH/sで、1日あたり約6,000円の収益になっています。

nicehashの収益のレポート画面です。

マイニングとは。

簡単に言うと、ビットコインなどの暗号通貨のやり取り(取引データを承認する作業)の複雑な計算を、自分の持っているコンピューターで計算の手伝いをして、その報酬として新規に発行された暗号通貨を受け取ることです。

マイニングのやり方。

計算の手伝いと言いましたが、実際に計算作業を行うわけではなく、ソフトを起動して計算を走らせるだけです。

具体的なやり方の一つの例としてシンプルにざっくり言うと、

  • nicehashに登録
  • nicehashからマイニングソフトをダウンロードしてインストール
  • 登録した際に発行されたBTCウォレットアドレスを設定
  • マイニング開始

という手順が最も簡単に始められる方法です。

他にもHiveOSというマイニング専用のOSがあったりします。

ちなみに私は例として紹介したnicehashを使っています。

マイニングを開始させれば、nicehashのウォレットにビットコインが貯まっていきますが、放っておくとトラブルでマイニングが止まったりしていることがあるので、定期的にチェックして、止まっていればパソコンを再起動をしたり、トラブルの原因を解消していかないといけません。計算に使用するパソコンやグラフィックカードを増やしていけば計算力が上がって、収益も増えるのですが、トラブルが起こる確率も高くなります。

今からやっても儲かるか?

個人の場合、ゲームの映像処理に使用する高性能なグラフィックカードを使用するのが一般的です。ただ、このグラフィックカードが、マイニング需要で2021年2月あたりからかなり高騰してしまっています。元々高性能なゲーミングパソコンを持っていれば、それを使ってマイニングが出来るかもしれません。

(マイニングの収益+グラフィックカードや機材市場価値)-( グラフィックカードや機材の購入費+電気代)=利益

になります。

現在、最も収益の高いイーサリアムのマイニングが、近い日に予定しているアップデートでマイニングが出来なくなります。 グラフィックカードの購入費を回収できるまでマイニングの収益が出る状態が続けば儲けにはなりますが、それがどうなるかは誰にもわかりません。

イーサリアムのマイニングが終わったとしても、別の仮想通貨をマイニングすることはできます。現時点ではイーサリアムのマイニングに比べて半分くらいの収益のようです。その時の相場次第ですが、電気代が収益を上回ってしまうと終わりです。

マイニングに使われるグラフィックカードが高騰。

元々ゲームのために10万円くらいで売られていたグラフィックカードですが、発売当初から2倍以上の値段になっています。2倍でもマイニングで元が取れるからと言って買う人が沢山居るので転売屋が横行したりで通販の値段が跳ね上がり、ヤフオクでも高い値段で取引されています。

現在では、ゲームをやりたくてもグラフィックカードが高くて買えないという事態を無くすために、新たに出荷されているグラフィックカードはマイニングの制限がかかっている「LHR版(Lite Hash Rate版)」という物になっています。

LHR版(Lite Hash Rate版) とは、マイニングで使用する特定の計算を検出して、特定の計算に対して性能を半減させて、本来の目的のゲームやクリエイティブアプリに対しては100%の能力を出す仕様になっています。

マイニングが出来るグラフィックカードが新たに出荷されないので、マイニングが出来る「非LHR版」と呼ばれるグラフィックカードは希少価値が上がり高くなっています。

しかし、今は世界的な半導体不足でもありますので、 マイニング制限のかかったLHR版のグラフィックカードもけっこう高いです。

マイニング専用の機材も存在する。

グラフィックカードとは別で、マイニング専用の機材である「ASIC」というものも存在します。ただこちらは電力が莫大なのと、一般のコンセントではまず使えず、コンセント工事などで使えるようにしたとしても、排出される熱とファンの音もかなりの物で、家庭で使用するのは現実的ではありません。ヤフオクで売られているので興味があれば検索してみてください。売られているものは電気代が多くかかるので、日本の電気代では利益にならない物が殆どです。

いつまでマイニングできるのか?

利益が出る状態が続く限りマイニングは続けられるでしょう。しかし、いつまで続くかはわかりませんので、新たに機材などに投資する場合は仮想通貨市場の動向をみて判断する必要があります。

nicehashでのマイニングは、数種類の銘柄の暗号通貨をマイニングできるのですが、今はイーサリアムという通貨のマイニングが最も収益が高いので、今はイーサリアム一択だと思います。

上でも書きましたが、このイーサリアムも近い日にバージョンアップによって大きく仕様が変わり、マイニングできなくなることが決まっています。そのバージョンアップの実施は段階的に行われて、2021年中とも言われていましたが、もうすぐ12月ですが具体的な予定日も発表されていないので、2022年まで伸びる可能性が高いです。

イーサリアムがマイニングできなくなったら、次に収益の出る銘柄を見つけてどこまでできるかというところです。

今、マイニングをやっている人は収益が出なくなるまで続けるか、グラフィックカードが高いうちに売ってしまって撤退するかという判断になると思います。

マイニング実践。

私のマイニングリグを紹介します。

マイニングを始めたばかりの頃です。RTX3080のメインマシンにRTX3070を1台追加。

グラフィックカードを飾るためとして売られてた金具がマイニング用途に合っていました。

消費電力も見たかったので、ワットモニターも買いました。

アルミフレームでマイニングリグフレームを自作。

PC用ケースではグラフィックカードを増やしにくいので、マイニングリグフレームが必要になってきました。

もうこの時、製品として出てるマイニングリグ用のフレームが高くなっていたので、amazonで使えそうなアルミフレームを見つけて適当に組み立てました。

アルミフレームにASUSのマザーボードZ390-Aと、グラフィックカードを4機載せました。

電源ユニットは、サーマルテイクの1200ワットの80PLUS Platinumです。

このマシンは、グラフィックカードが高騰していた中で、RTX3080を搭載したHPのゲーミングパソコン OMEN by HP 30L Desktopが割安だったので購入した物で、PCI-Eを4分岐する基盤を使用してマイニングリグ化し、4機のグラフィックカードを付けました。

土台はゲーミング家具ブランド | Bauhutte( バウヒュッテ )の昇降式デスクです。

安定してマイニング動作させる方法6選。

最初の「マイニングのやり方」でも述べましたが、マイニングが止まったりしていることがあるので、安定動作させる設定や方法を紹介していきます。

BIOS設定でPCI-EのGen(Generation)を1に設定する。

PCI-Eは、2021年時点で市場に出ているのは4世代目であるGen4まで出ているのですが、数字が大きくなるほど帯域の速度が倍増します。ゲームをするには効果があるのですが、マイニングにはここの帯域速度は不要で、ノイズが出やすかったりエラーになるリスクが上がるだけなので、Gen1に設定しましょう。

BIOS設定で「Above 4G Decoding」をEnableに設定する。

複数のグラフィックカードを装着した場合、この設定をしないと認識しなかったりすることがあるようです。

余分な常駐ソフトは停止させる。

マイニング専用機で運用することが多いと思いますので、余分なものは停止しておきましょう。パソコンを安定して快適に動作させる基本でもあります。

電源の分岐ケーブルはなるべく使用しない。

PCI-Eの8pinのケーブルが足りずに分岐出来たらと思うことがあります。 8pinは1口あたり150ワットまでです。

GPU-Zというフリーソフトで、各8pinの端子の消費電力は見れますし、電源ユニットの容量と合わせて計算が出来れば安全上は問題ないと思いますが、容量が足りていたとしても分岐ケーブル自体がまともなメーカーは製造しないので、粗悪品も多く、マイニングが動作しなくなったときに、分岐ケーブルの部分を触ったら復帰したりということがあり、分岐ケーブルが原因でマイニングが止まってしまうことが多かったです。

電源ユニットを増やす必要がありますが、分岐ケーブルをやめてから殆どマイニングが止まらなくなりました。

あと、SATAの電源をPCI-E 8pinへ変換するケーブルは、なるべくというよりも、絶対に使わないほうが良いです。便利なので使っていたことがありましたが発熱して溶けました。

ライザーカードはVer009以上が安定。

物が無かった頃は、青い基盤のライザーカードを一部使っていましたが、認識しなくなることが多かったです。

現在は全てのライザーカードをVer009Sへ変えて安定動作しています。

電源とライザーカードのケーブルにフェライトコアを取付してノイズを除去。

PCI-E接続に使用するUSBケーブルは、高周波の信号が流れるので強いノイズを出します。フェライトコアを装着することでノイズが軽減されて安定動作しやすくなることが期待できます。特に無線LANでマイニングをしている場合は、ノイズの影響による通信断も大幅に軽減することができます。

グラフィックカードは1台のPCに4~6機まで。

私がマイニングに使用しているASUSのマザーボードZ390-Aですが、グラフィックカードを5機目を取り付けるとBIOSが起動しなくなります。

色々調べて海外のレビューサイトまで見ましたが、「BIOSを最新にする」や、「Above 4G Decoding有効」などは試しましたが同じ症状の書き込みも見つかりました。

最終的に、マイニング専用ではない普通のマザーボードでは、グラフィックカードは4機までくらいが良いという結論になりました。

マザーボードにあるPCI-Eスロットの数分だけグラフィックカードを搭載できるわけではないということです。

マイニング専用マザーボードも、グラフィックカードを8機以上取り付けられるようになっていますが、実際には6機くらいで運用することが多いようです。6機より多く取り付けると安定しないようです。

ちなみにOS側のWindows10Proは、8機までグラフィックカードを認識するそうで、それ以上の場合はマイニング専用OSを使用することになります。ただこれは理論上であり、実際には4~6機が現実的ということがわかりました。

遠隔監視にはスマートコンセントが便利。

遠隔からの動作確認は、nicehashのアプリやブラウザからでも確認することができますが、スイッチボットなどのスマートコンセントを使用して、PC側のBIOS設定で電源復帰時にPC電源をONにする設定にしておけば、外出している時にマイニングが止まってしまった場合でも、遠隔から再起動をすることで復帰できることがありますのでおすすめです。