
「働きすぎているかもしれない」──
そう感じているあなたへ伝えたいことがあります。
過重労働には、本当に一つも良いことがありません。
これは、私自身が身をもって体験した事実です。
環境が落ち着いてから一年ほど経って、ようやく気づきました。
「当時の自分はどれほど危険な状態にいたのか」と。
もし今、あなたが同じような状況にいるなら、
少しでも早く気づいてほしい。
そんな思いで、この体験を書き残します。
🩺 過重労働は免疫力を奪い、命の危険もある
長時間労働が続くと、心だけでなく体も確実に壊れていきます。
私の場合、いくつもの異変がありました。
寒さに弱くなった
もともと寒さに強かったのに、突然厚着をしないと耐えられなくなりました。
当時は「年齢のせい」と思っていましたが、実際は慢性的な疲労で体が弱っていたんです。
風邪をひきやすくなった
滅多に風邪をひかなかったのに、激務の時期は年に3回以上。
治りも悪く、薬に頼る生活でした。
本来なら免疫で治せるものを、無理やり薬で押さえつけていた状態です。
アレルギーが悪化した
肌荒れや鼻炎が悪化。
ストレスと睡眠不足が免疫を崩し、アレルギー反応が出やすくなっていたのです。
💡 年齢のせいではなかったと気づいた瞬間
職場環境が改善されて一年ほど経ったころ──
これらの症状がすべて消えました。
「やっぱり原因は過重労働だったんだ」と確信。
あのまま続けていたら、重い病気のリスクもあったと思います。
🧠 過重労働は心も確実に壊していく
体だけでなく、メンタルも確実に蝕まれます。
当時は忙しすぎて、自分が壊れていることにすら気づけませんでした。
イライラしやすくなる
ちょっとしたことでイライラ。
周囲も余裕がなく、職場全体がピリピリした空気に包まれていました。
人の話を聞けなくなる
相談を受けても「まどろっこしい」と感じてしまう。
共感する力や思いやりが、少しずつ失われていきました。
大切な人を傷つける
溜め込んだストレスを、親や恋人など“安心できる人”にぶつけてしまう。
今思えば、一番守るべき人を傷つけていたのです。
何もしたくなくなる
休日も何もする気が起きず、生活が崩壊。
服装も乱れ、食事も適当になり、心も体もボロボロになっていきました。
⚠️ 過重労働に得られるものは一つもない
過重労働は、
あなたの健康・時間・人間関係・信頼を奪います。
そして、一度失ったそれらを取り戻すには、何年もかかることがあります。
「もう少しだけ頑張ろう」と自分に言い聞かせる前に、
“今の環境はおかしい”と気づくことが大切です。
🛠 過重労働から抜け出すためにできること
「環境を変える」と言っても、何をすればいいのか分からない人は多いはず。
ここでは、過重労働から抜け出すための現実的で段階的な方法を紹介します。
🧭 ステップ①:まずは「今の自分の状態」を客観的に見る
長時間労働が続くと、
「まだ大丈夫」「周りも同じだから」と思い込みがち。
でも、それが一番危険なサインです。
以下のような状態があれば要注意です。
- 朝起きても疲れが取れない
- 休みの日も仕事のことが頭から離れない
- 家族や友人と話すのが面倒に感じる
- 食欲・睡眠に変化がある(寝つけない、食べられない)
- 趣味に興味がわかない
これらが複数当てはまるなら、
すでに過労やストレス過多の状態かもしれません。
まずは自分の現状を「自覚」することから始めましょう。
🗣 ステップ②:職場内でできることを試す
1. 上司に仕事量の調整を相談する
上司はあなたの限界を正確に把握していないことがあります。
「業務量が多く、処理しきれない部分がある」と冷静に伝えてみましょう。
📝 ポイント:
「無理です」と言うよりも、
「〇〇の業務が増えたので、納期を調整できると助かります」と
改善提案として話すと受け入れられやすいです。
2. 人事・総務・産業医へ相談する
人事や産業医は社員の健康を守る立場です。
最近は「ストレスチェック制度」もあり、
過重労働が発覚すれば会社にも是正義務が発生します。
特に、月80時間を超える残業は法律上も過重労働に該当します。
遠慮せず正式に相談してください。
⚖️ ステップ③:外部機関を頼る
労働基準監督署
「上司に相談しても改善されない」
「残業時間のごまかしがある」
そんな時は、労働基準監督署へ。
匿名でも相談可能です。
勤怠記録やメール履歴など、証拠があればより有効です。
労働組合・NPO・無料相談窓口
社内に労働組合があればまず相談を。
ない場合は、外部のNPOや労働ホットラインを利用できます。
(例:総合労働相談コーナー、みんなの人権110番 など)
💼 ステップ④:転職・副業・キャリアチェンジを検討する
「この会社では改善が見込めない」と感じたら、
新しい環境に移ることも立派な選択です。
転職エージェントに相談するだけでも、
自分の市場価値を客観的に知ることができます。
転職活動を始めるだけでも、
「この職場だけがすべてじゃない」と思えるようになります。
🧩 おすすめエージェント例
- リクルートエージェント(幅広い業種対応)
- マイナビ転職(20代〜30代向け)
- ビズリーチ(ハイクラス向け)
- ミイダス(市場価値の無料診断が可能)
🧘 ステップ⑤:休職という選択肢もある
体や心に限界を感じたら、まずは休むことが最優先。
「うつ病」「適応障害」などの診断があれば、
傷病手当金を受けながら最大1年半の休職が可能です。
休むことは「逃げ」ではなく、
回復して再スタートするための準備期間です。
🌱 ステップ⑥:生活習慣を整える
環境を変える途中でも、
少しずつ「自分を取り戻す」ことを意識してみましょう。
- 睡眠時間を優先する
- 栄養バランスを整える
- スマホやSNSから距離を置く
- 軽い運動や散歩を習慣にする
これだけでも思考がクリアになり、気力が回復していきます。
🧩 まとめ|「環境を変える」は逃げではなく、生き残るための行動
過重労働の渦中にいると、
「辞めたら迷惑をかける」「自分が我慢すればいい」と思いがちです。
でも、それは違います。
環境を変えることは、
自分の人生を取り戻すための勇気ある行動です。
一歩ずつで構いません。
まずは、今の自分を守るために──
「声を上げる」ことから始めてください。