2016年4月、2004年式シグナスXから2016年式マジェスティSへ乗り換えました。
同じヤマハ製スクーターですが、実際に乗ってみると多くの進化を感じました。
ここでは、アップグレードになった点と**気になった点(デメリット)**をまとめます。

シグナスX(2004年式)からアップグレードになった点
インジェクション式になった
シグナスX(2004年式)は従来のキャブレター式で、特に台湾モデルは冬場のエンストが多いのが悩みでした。
氷点下になるとアイドリングできず、常にアクセルを少し開けて走る必要がありました。これは、キャブヒーターを後付けで改善出来ていましたが、マジェスティSはインジェクション式なので、年中どの季節でもベストな状態で安定して走行できます。
リヤもディスクブレーキ化
当時のシグナスXはリヤがドラムブレーキでしたが、マジェスティSは前後ディスクブレーキに。
ドラム式は、ブレーキを握った時のふにゃーんとした感じが嫌で、利きも良くなく、ブレーキワイヤーの経年劣化で固くなりますし、レバーの戻りが悪くなったりもするので好きではありませんでした。
後からディスクブレーキ化できるキットも社外品で発売されていましたが、12万円以上していましたし、ホイールに穴あけ加工が必要で、非常に敷居の高いものでした。
社外キットで改造する手間がなく、最初から純正装備されているのは本当にありがたい点です。
タイヤが大きく・太くなった
ホイールサイズが前後12インチ → 13インチへアップ。
幅もそれぞれ10mm広くなり、
- 直進安定性の向上
- グリップ力アップ
- 雨天時や高速走行時の安心感
と、体感レベルでの違いを感じます。
ホイールベースが長くなった
ホイールベース延長によって直進安定性が大幅アップ。
幹線道路や高速走行時の安定感が増した感じがします。
一方で、小回り性能はわずかに低下。
とはいえ、街乗りレベルではほとんど気になりません。
乗り始め当初はUターン時に少し違和感がありましたが、すぐに慣れました。
また、全長もシグナスXより約17.5cm長くなっています。
(シグナスX:約1,855mm → マジェスティS:約2,030mm)
駐輪スペースや自宅のバイク置き場によっては取り回しに注意が必要です。
排気量が最初から155cc
以前のシグナスXもボアアップで155cc化+ハイギヤ化していましたが、
マジェスティSは最初から155cc設計。
そのため、吸気・排気・冷却系までトータルで最適化されています。
結果として、ボアアップでは得られない完成度とバランスを実現しています。
CVTのセッティングが最高
マジェスティSは変速レンジが広く、CVTのセッティングが非常に絶妙です。
上り坂でも自然に回転数が上がり、「ここでシフトダウンしたいな」と思わせることなくそのままスムーズに加速してくれます。
高速走行ではさらに“もう一段上のギヤ”があるような伸びを感じ、
常にエンジンが“ちょうど良い回転数”をキープしてくれます。
強制空冷 → 水冷式へ
シグナスXは強制空冷式エンジンでしたが、マジェスティSは水冷式エンジンを採用しています。
強制空冷式エンジンは、クランクに冷却ファンが直結されており、
どんな状況でもエンジンの回転数に応じて常に空気を送り込む仕組みです。
そのため、寒い時期の暖気中でも冷たい空気が吹き付け続け、なかなか暖まらないのが気になっていました。
一方、水冷式エンジンはサーモスタットによって冷却水の循環を自動制御しており、
外気温に左右されず、常に最適な温度をキープ。
エンジンが最も調子の良い状態で安定して動作します。
また、温度が上がりすぎるとオーバーヒート警告ランプが点灯して知らせてくれるため、
負荷の大きい高速道路走行や真夏の渋滞でも安心して走行できます。
実際に高速道路を長距離走っても、オーバーヒートランプが点いたことはありません。
テールランプが最初からLED化
以前のシグナスXでは自作LEDテールを作っていましたが、
マジェスティSは純正でLEDテールランプ搭載。
最近の車やバイクはほとんど最初からLEDですね。
■ デメリットも少し
1️⃣ 情報がシグナスXに比べて少ない
シグナスXに比べてマジェスティSユーザーは圧倒的に少ないため、
ネット上のカスタム情報やパーツ情報が限られています。
とはいえ、国内メーカー車なので純正部品の入手性は問題なしです。
2️⃣ 足つきが悪い
シグナスXも足つきが悪い方でしたが、マジェスティSはさらに高め。
停車時に前に寄らないと、かかとが地面に届かないこともあります。
とはいえ、慣れればまったく問題なしです。
■ まとめ:まるで最初からフルチューンされたシグナスX
私にとってマジェスティSは、
「最初から完成されたフルチューン仕様のシグナスX」に乗り換えたような感覚でした。
見た目も走りも、トータルバランスに優れた名車です。
長距離ツーリングでも街乗りでも、安心して走れる155ccスクーターです。
🚫 残念ながら排ガス規制で生産終了
マジェスティSは非常に完成度の高いスクーターでしたが、
排ガス規制により2020年モデルを最後に生産終了となってしまいました。